高校二年生の桜木莉乃は、中学時代からの親友グループの中で男子の桐谷蓮にひそかに思いを寄せています。彼女は性格も体も魅力的な桐谷に対して、自分の感情を隠すことに成功していますが、それでも心の中では焦りを感じています。莉乃は「女友達のままでいいんだ」と自分自身に言い聞かせますが、本当の自分が嫌われてしまうことの恐怖から逃れられません。 しかし、そんな彼女に、桐谷蓮はいつも優しく、「かわいくない？」と問うような態度を取ることで、莉乃には不意打ちを与え続けます。この一言が彼女の心を揺さぶり、恋愛の諦めようとしているときでも、その手が彼女を引き戻します。 しかし、そんな複雑な感情の中にも、莉乃自身はまだ誰も気付いていません。そして少しずつ、でも確実に彼女の身体は異常を感じ始めます。最初は僅かな筋肉の不調から始まりますが、やがて全身が完全に動けなくなってしまうことに…。 この病状はALS（筋萎縮性側索硬化症）という名前を持ちます。この残酷な病気により、莉乃は徐々に自分の身体を失いながらも、愛する桐谷との関係を維持しようと必死です。しかし、彼女の恋心には限界があります。 「10万分の1」――ピュアラブの名手?宮坂香帆が挑む、残酷で幸福な運命の物語。 この物語は、ALSという病状と抱える複雑な恋愛感情を描きながら、莉乃の内面的な成長と、彼女の人生における選択肢を探求します。愛情や人生の価値観について深く考えさせる、感動的なストーリーが展開されます。