ファンタジー世界を舞台にした国家運営シミュレーションゲーム『EternalNations』。その中でユーザーランキング一位を獲得し、一躍有名となった伝説のプレイヤー伊良拓斗は、ある日突然入院することになり、意識を失って眠り込んでしまった。気が付くと、彼はまるでゲームの中のような奇妙な世界に身を置いていることに気づいた――イドラギィア大陸に降り立っていたのだ。 眼前には、伊良拓斗がこれまで愛用していたユニット《汚泥のアトゥ》が現れていた。その一瞬の視線の交錯から、拓斗はある決意をする。「僕たちはこれから新しい国を作るんだ。僕と君だけの王国だ」と。そこには、彼がゲームの中で最も尊敬し愛用していた《汚泥のアトゥ》が立っていた。 拓斗は決然と邪悪な国家である《マイノグーラ》を設立することを選んだ。その国には個性豊かなダークエルフや英雄たちが国民となり、この世界でチートとも言えるゲームシステムを利用しながら、大好きな内政に励むことになる。 彼の手は重く、しかし決意は明るい。拓斗は今度こそ本当の意味での王者となって、この新国《マイノグーラ》を繁栄させようとした。そのために必要なのはただ一つ、彼自身と《汚泥のアトゥ》だけだった。